こんにちは、ごまママです。
今回は無痛分娩と和痛分娩について書いていきたいと思います。
「無痛分娩と和痛分娩は何が違うの?」
「無痛分娩が出来ない場合はある?メリット、デメリットは?」
無痛分娩を考えている人が気になっていることを少しでも解決できればと思います。
私は2021年に第一子を自然分娩で、2023年に第二子を和痛分娩で出産しました。
自身の体験も含めて詳しく書いていきたいと思います。
無痛(和痛)分娩とは
無痛(和痛)分娩は、出産時の痛みを大幅に軽減するために行われる分娩方法です。
主に硬膜外麻酔を用いて、陣痛の痛みや出産時の痛みを感じにくくします。
無痛分娩と和通分娩の違いは?
‥実は、無痛分娩と和痛分娩の違いやその方法は医学的に定義されいません。
なので施設によって無痛分娩と和痛分娩の定義が異なります。
和痛分娩と無痛分娩では痛みの軽減度や麻酔の使い方によって分けられる場合が多いです。
和痛分娩 | 無痛分娩 | |
---|---|---|
痛みの程度 | 痛みは軽減されるが、完全には取り除かない | 痛みをほぼ完全に取り除く |
麻酔の使用量 | 少なめの麻酔で痛みを和らげる | 十分な麻酔で痛みを感じさせない |
分娩の感覚 | 自然な出産の感覚が多少残る | 陣痛や出産の痛みはほとんど感じない |
意識 | 意識はしっかりあり、痛みを和らげながら出産 | 意識はあるが、痛みをほぼ感じない |
注意していただきたいのは、施設によって定義が異なるという点です。
なので、施設によっては同じ意味として使われていることもあります。
痛みを和らげる(完全に取り除かない)麻酔の使い方でも無痛分娩と表記されている場合もあるということです。
もう一つ注意していただきたいのは、麻酔の効きやすさ、麻酔との相性、体質に個人差があると言うことです。
そのため実際に麻酔を使用してみないと痛みがどの程度取り除かれるかは分からないということです。
同じ無痛分娩なのに「全く痛くなかった」「無痛分娩なのに痛かった」と真逆の感想があるのもこのためです。
完全無痛分娩といっても、完全に痛みを排除しようとすると、陣痛が弱まったり、足に力が入らずいきむことができなくなってしまうため、ある程度の感覚や痛みが残ることが一般的です。
絶対に完全無痛で産みたい!という場合は希望の施設に無痛分娩のついて詳しく聞いてみるのが確実です。
ちなみに私が出産した産院では、完全に痛みが取り除かれるわけではないので和痛分娩と定義されていました。
担当していただいた麻酔科の先生に聞いたところ、使用している麻酔薬も完全に痛みを排除するものではないとのことでした。
下記からは便宜上、和痛分娩も含めて無痛分娩と表記しています。
無痛分娩のメリットとデメリット
メリット
○痛みの緩和:無痛分娩は、分娩時の強い痛みを感じなくなるため、リラックスして出産に臨むことができます。
○体力の温存:痛みを感じないことでエネルギーが温存され、特に分娩が長引いた場合でも、母親が疲れにくくなります。また、出産後の回復が早くなりやすいです。
デメリット
○麻酔のリスク:硬膜外麻酔は医療処置なので、まれに頭痛、血圧の低下、嘔吐などの副作用が生じることがある。
○医療介入が多い:分娩中に麻酔の量を調整するため、医療的な介入が必要。また、場合によっては分娩の進行が遅くなったり、吸引分娩や帝王切開に移行することもある。
○下半身の感覚が鈍くなる:麻酔の影響で、分娩時のいきみがうまくできない場合がある。これにより医師や助産師のサポートが必要になる場合も。
○費用が高額:自然分娩に比べて麻酔の処置などをするため費用が高くなる。通常の分娩費用にプラスして約10〜20万円程度の費用がかかる。
計画無痛分娩と自然無痛分娩
計画無痛分娩
計画無痛分娩とは、出産の日時をあらかじめ計画し、その日時に合わせて陣痛促進剤を使用して無痛分娩を行う方法です。
出産日は妊娠後期の段階で、医師と相談して決めます。予定日よりも数日早く、母親と赤ちゃんの状態を考慮して、適切な日を決定します。
計画無痛分娩は、家族や仕事のスケジュールを調整しやすいため、出産を計画的に行いたいと考える方にとっては魅力的な選択肢です。
しかし医療的な介入が増えることやリスクも伴うため、慎重に検討する必要があります。
自然無痛分娩
自然無痛分娩は、計画的に分娩を誘発するのではなく、自然に陣痛が来たタイミングで無痛分娩を行います。
陣痛が自然に始まるのを待つため、出産のタイミングが赤ちゃんや母親の体にとって自然な形で進みます。
できる限り自然な出産を希望する母親にとって魅力的な選択肢です。
しかし、陣痛が自然に始まるのを待つため、陣痛の進行が早い場合は、麻酔の準備や効果が間に合わないことがあります。
特に、陣痛が急に強くなったり、分娩が急速に進行する場合には、無痛分娩を行えないケースもあります。
無痛分娩ができない人
残念ながら無痛分娩は全ての人が選択できる分娩方法ではありません。
様々な要因によって無痛分娩が出来ない場合もあります。
以下には無痛分娩が出来ない場合を記していますが、施設によって出来る出来ないの判断は異なるので、当てはまる項目がある場合はご自分の出産予定の施設に詳しく聞いてみるのが確実です。
1. 背中や脊椎に問題がある場合
無痛分娩では、硬膜外麻酔を使用するため、背中の特定の部位に針を挿入します。
しかし、以下のような状態がある場合は、麻酔を行うのが難しいことがあります。
- 脊椎の異常(椎間板ヘルニア、脊柱側弯症など)
- 背中の手術歴(脊椎に金属が埋め込まれている場合など)
- 刺青(特に背中の広範囲なもの。細菌感染のリスクが高まるため)
私は椎間板ヘルニアしたが、麻酔の管を通す場所とはずれていたので無痛分娩出来ました。
私が出産した産院では、ヘルニアが麻酔の管を通す箇所でなければ無痛分娩を行なってくれました。
またヘルニアの場所に関わらず、ヘルニアの手術を行なっている場合は無痛分娩が出来ませんでした。
椎間板ヘルニアの方は妊娠前にMRIなどでヘルニアの映像を残しておくことをお勧めします。
2. 血液の異常がある場合
麻酔は血液の状態に影響を受けることがあるため、次のような血液の異常がある場合は無痛分娩が難しいことがあります。
- 出血傾向がある場合(血液凝固障害や出血しやすい体質の人)
- 血小板数が低い(血小板が不足している場合、麻酔後の出血リスクが高まります)
- 抗凝固薬の服用(血を固まりにくくする薬を使用している場合、麻酔の際に危険が伴います)
3. 重度の肥満
肥満の度合いが高い場合、無痛分娩のための硬膜外麻酔を施行することが技術的に難しい場合があります。
針を正確な位置に挿入するのが難しいため、麻酔の効果が期待通りに得られない可能性が高くなります。
私が出産した産院では、出産時の体重が80kg以下かつ非妊娠時からの体重増加が15kg以内と決められていました。
4. 特定の合併症がある場合
いくつかの持病や合併症があると、無痛分娩のリスクが高まります。これらの状態がある場合、麻酔が母体や胎児に悪影響を及ぼす可能性があるため、無痛分娩が選択されないことがあります。
- 重度の高血圧や妊娠高血圧症候群
- 心臓や肺の疾患(麻酔により呼吸や循環機能に影響を与えるリスクがあるため)
- 重度の糖尿病
- 妊娠中毒症
5. 出産が非常に急速に進行する場合
特に自然な陣痛を待つ”自然無痛分娩”を行う場合、分娩が急速に進行していると、無痛分娩を行うための準備や麻酔の効果が発現するまでの時間が足りないことがあります。
通常、無痛分娩は陣痛の間隔が一定になり、分娩の初期段階で行われるのが理想ですが、出産が進行しすぎている場合には、麻酔が間に合わないこともあります。
無痛分娩を希望していて自然陣痛がきた場合は、早めに施設に連絡することが大切です。
特に経産婦さんはお産の進行が早く、無痛分娩が間に合わず自然分娩になってしまうことが多いです。
特に経産婦さんや痛みに強い方などは注意が必要です。
6. 麻酔に対するアレルギーや過敏症がある場合
過去に麻酔薬に対するアレルギー反応を経験したことがある場合、無痛分娩で使用される麻酔薬も危険を伴う可能性があるため、医師が慎重に判断します。
まとめ
今回は無痛分娩と和痛分娩の違いについてまとめてみました。
無痛分娩と和痛分娩はその違いやその方法は医学的に定義されておらず、施設によって定義が異なります。
また、無痛分娩はすべての病院で行われているわけではありません。麻酔科の医師が常駐している病院で行われることが一般的です。
無痛分娩や和痛分娩を希望している方は施設の方針や医師との相談が重要です。
出産する施設を決定する前に実際に詳しく聞いてみることが大切です。
無痛分娩は、出産時の痛みを大幅に軽減できるため、多くの人にとって安心感をもたらす選択肢です。
しかし、麻酔のリスクや分娩の進行に影響を与える可能性があるため、医師としっかり話し合い、自分に合った分娩方法を選ぶことが大切です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。